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賃貸からのお知らせ

経営は会社形態をとるが、規模が大きいものでも同族、家族経営によるのが一般的である。 従業員から役員の中に入ることは少ないのが実態で、従業員にとってみれば頑張っても所詮「使われの身」的な印象を持ちかねない面がある。

旅館も収益施設の一つであるから、当然にしてその価値把握にあたっては収益力をベースに考えるべきだが、上記の特徴を踏まえ売買対象の市場が限定される可能性が高いことに注意する必要がある。 さらに特徴について一歩踏み込んで見てみよう。
泊・食一体化した施設であるこのことは、旅館には単なる宿泊施設という面だけでなく、飲食施設としての側面もあることを意味する。 すなわち、宿泊客は旅館に泊まるという施設、そしてそこで出てくる食事というこのサービスの両面からその良否を判断するということである。
特に、近年は食事に宿泊客が重点を置くようになっている。 食事の良否は旅館の売上高の多寡に非常に大きくかかわるものと考えられる。
たとえば、食事の良し悪しは口コミで広がっていく。 実際に、“食事が美味しい”と評判の旅館の周りには廃嘘と化した建物が風化しているという光景もよく見かける。
最近、泊・食を分離し、単純な宿泊施設として室料をもらい、食事については外で自由に取ってもらうといったスタイルの旅館も出てきている。 1996年に福島県郡山市の磐梯熱海温泉などで草分け的に始まった「泊食分離」を導入している旅館は全国で120軒以上、ここ3年で急増と報じられているしかし、この「泊食分離」がどこの地域でも通用するとは考え難い。
周囲に満足のいく飲食施設があればよいが、都市近郊あるいは大温泉地など以外では難しいことが予想される。 どのあたりが境界線かは明確でないが、今後も「泊食分離」が急激に進むことは考えられないであろう。
所有者=経営者であるこのことは次のことを意味する。 土地に関しては過去から所有しているケースが一般的土地は代々受け継がれたものが多く、土地から新規取得するケースの方が少ないと言える。

したがって、投資の大半は建物に関連する場合が多い。 このため、土地を新規取得して設備投資行うことを想定すると経営的に無理であっても、土地が元からあれば、経営的に成り立っているものを多く見受ける。
ただ、不動産として土地・建物一体で第三者に売却する場合には、当然その投資採算性を重視すべきであるから、土地・建物の価値を積算した価格より大幅に減額した価格となる可能性が高い。 経営のみを請負う業者・人材がいない(プロパティマネジャーの不存在)旅館もその運営に関してはホテル経営と同様、マニュアル的な部分が多く、現在では旅館運営及び経営に関する専門のコンサルティング会社も存在する。
しかし、そもそも泊・食一体型の施設での客商売であるがゆえに、各地域・各施設それぞれにおいて独特の経営感覚が求められるのが一般的と言える。 確かに、ホテル同様、施設の良否により収益力に大きな差が生ずることは言うまでもないが、飲食部分・芸能部分等施設面以外にも重要な要素がある。
これは、同様の立地・施設であっても経営者の努力次第で売上げや利益が大きく変わる可能性を意味しており、経営手腕が貢献する部分はビジネスホテル等に比べて大きいと言える。 経営は家族経営が一般的旅館の経営手腕・経営手法は、経営者の家族が代々にわたり自ら研究しこれを受け継いで発展してきた。
このビジネススタイルがある面ではノウハウ面での参入障壁となっている。 一時期、外資系のホテル等がリゾートホテルとして旅館買収を本気で検討していたようであるが、このような経営ノウハウ面でのリスクがあることから、なかなか手を出すことができなかった。
買い手も旅館経営者である可能性が高い(市場での需要者が限定され、単純な投資物件にはならない)旅館の場合、ホテルのようにオペレーションのみを請け負う業者は存在せず、経営そのものに独特な経営手腕が求められるということは、前述の通りである。 このため、ビジネスホテルや賃貸マンションのように、旅館を単純な投資物件として一般投資家が売買することはまずないと思われる。
したがって売買当事者は原則、旅館経営者に限られると言える。 収益環境の変化が著しい旅館は、賃貸ビルやマンションと比べ、施設以上に経営手腕によって収益が左右される面が大きい。
つまり、現状のバランスシートは収益性の判定において重要な参考資料ではあるものの、経営者次第で数字に大きなブレが発生することも予想されるといことである。 したがって、実績データそのものをそのまま採用して収益性をみることは妥当ではない。
旅館には以上のような特徴が認められるが、規模・品等(グレード)ごとに経営手法・方針等が大きく異なると思われる。 評価手法を議論する前に種類分けを行い、その種類ごとの特徴を検討する。
旅館の分類に関しては、さまざまな考え方があるが、ここでは規模・品等の2つをもって以下の通り分類する。 規模による分類旅館の客室数をベースに大規模・中規模・小規模に分類する。

大規模:100室以上基本的には団体客志向型で、設備的には客室部分以外のラウンジや宴会場・コンベンションホールといったパブリックスペースが充実しているものが多い。 中規模:99室〜30室団体客を志向しつつも個人客の比率も高い部類で、設備的にはパブリックスペースがある程度設置されている。
小規模:30室を下回るもの一般に団体客よりも個人客を志向する部類。 パブリックスペースは当然小さい。
品等(グレード)による分類品等的な分類は考え方よりまちまちだが、地域の実状に併せて高級・中級・普通の3つの分類に分けることとする。 なお、価格帯については地域の実情により異なるのでそれぞれで判断する。
規模と品等(グレード)による分類これら2つの要素をベースとして次のようなマトリックスを作成し複合的な分類を考えると次の通りになる。 前述の通り、旅館は泊・食一体型の宿泊施設である。
そのサービスの対価は施設面のサービスと料理や接客といった施設面以外のサービスが混然一体となっており、特に近年では料理面でのサービスが大きな比重を占めている面がある。 大規模高級旅館に該当するケース仮に、マトリックスAに該当する「大規模高級旅館」の場合は、規模が大きいにもかかわらず高級(=高料金設定)というわけだから、当然にして施設面での充実度を相当上げることが要請されるだけでなく、飲食面等のサービス品質も相当高くする必要がある。
高品質で大規模な分、巨額の大きな設備投資を行っているわけだから、借入金の額もそれ相当は存在するケースが多い。 現経済環境下において、高料金で多数の収容力を持つということは、稼動率を上げるために相当の集客力が必要となる。
全国の経営者は旅行単価が下落している今日、客室を埋める努力で手一杯というのが実状ではないだろうか。 そして、料飲関連といった施設面以外のサービスはどんなに経営努力を費やしたとしても、規模が大きくなればなるほど疎かにならざるをえない面も否定できない。
旅館経営コンサルタントのなかには、品等が高級である以上、それに似合うサービスを提供するためには客室数は100室程度が上限でこれを超えた規模のものは無理があるという人も多い。

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